朝、目を覚ました。
というより、意識が戻っただけで、目覚めという感覚はない。
昨晩もろくに眠れていなかったから、身体が鉛のように重く、まぶたの裏側まで痛い。
スマートフォンの画面を見たら、時刻は10時23分。
もう社会はとっくに動き始めているのに、私は布団の中で朽ちたままだ。
まず、「今日も生きてしまった」と思う。
生きてしまったという表現に、自分でもうんざりするが、それが本音だ。
死にたいのではない。
苦しみから逃れたいのだ。
ただ、それが「死」とあまりにも近い場所にあるから、自分でも線引きが曖昧になる。
布団から出るには、想像以上のエネルギーが要る。
私にとってそれは、山登りよりもしんどい試練だ。
立ち上がる理由が見つからない。
どこかに行く予定もない。
会いたい人もいない。
やりたいこともない。
誰も私を必要としていないという思考が、頭の中に居座っている。
これは思い込みではなく、私には現実のように感じられる。
スマホには未読のメッセージがいくつか届いている。
でも開く気になれない。
見たところで返事ができないのがわかっているし、「元気?」とか「大丈夫?」という言葉が苦しい。
「元気じゃない」と言ってしまえば会話が止まるし、「大丈夫じゃない」と言えば相手に重荷を背負わせる。
だから既読すらできない。
関係を切る気もないのに、放置する自分がまた嫌になる。
布団の中で、ずっと天井を見ていた。
部屋は静かで、時計の針の音だけが聞こえる。
それすらうるさく感じる瞬間もある。
誰にも邪魔されない空間のはずなのに、頭の中だけがうるさい。
「お前は役立たず」「何の価値もない」「生きているだけ迷惑だ」という声が、自分の声で、
延々と繰り返される。
昼頃になって、ようやくトイレに立つ。
顔を洗うのも億劫で、そのまままた布団に戻る。
今日は晴れているらしい。
カーテン越しの光が、皮肉に感じる。世の中は明るく、希望に満ちているのに、自分の心は常に曇っている。
いや、曇りどころか暴風雨だ。何かしようとしても、吹き飛ばされてしまう。
SNSを開いて、他人の投稿を眺める。
誰かがカフェに行った写真、誰かが恋人と笑っている写真、誰かが仕事で達成した報告。
喜びに満ちたその画面の向こうで、私は死んだ魚のような目をしている。
比較してはいけないと思っても、心は勝手に他人との距離を測ってしまう。
「あの人にはできるのに、私は何もできない」。
その繰り返し。
午後になっても、何ひとつ手につかない。
食事をとる気力もない。
空腹かどうかすらわからない。
ただ身体が重い。
眠れない夜にため込んだ疲労が、昼になっても取れないのだ。
おまけに、無力感と罪悪感がセットで襲ってくる。
「今日も何もできなかった」と自分を責める。
それがまた苦しい。責めたくないのに、責めてしまう。
夕方、ふと思い出す。
昔の自分は、こんなんじゃなかった。
笑うこともできたし、人と会うことも苦じゃなかった。
将来の夢もあった。
けれど今は、夢なんて言葉はただの遠い蜃気楼だ。
いつの間にか、何もかも失った。
いや、失ったというより、手放すことすらできないまま、自分から壊れてしまった。
夜が近づくと、また不安になる。
これからどうするのか。
このままでいいのか。
明日こそは、と思っても、結局同じことを繰り返す自分が目に見える。
未来を想像することが恐怖だ。
終わらない地獄がずっと続くような気がする。
逃げ道もなく、ただ苦しみを抱えているだけ。
夜が来て、ようやく少し食べ物を口にした。
味はしない。
でも、何かを食べたという事実だけが、まだ自分が人間であることを確認させてくれる。
人間のふりをしているだけかもしれないが、それでもいい。
今日はそれで精一杯だ。
明日は、もう少しだけ、まともに過ごせたらいい。
朝に歯を磨くだけでもいい。
部屋の窓を開けるだけでもいい。
そんな小さな希望を持とうとしている自分が、まだどこかにいることに気づいた。
それが救いかどうかはわからない。
でも、私は今日もこの地獄を生き延びた。
それだけで、今日という一日は、意味のあるものだったと信じたい。
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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うつの時ってひとりではどうにもならないよね
私は大変だったんだ