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KIZUNA  うつ病だけど もう少し 生きてみます。

障害2級 重度のうつ病日記 長男と家族の闘病余命宣告

今日もうつ病地獄  648

『底なし沼の街で』

 

かつて、ある場所に「底なし沼の街」と呼ばれる場所があった。

人はそこを通り過ぎることがあっても、長く留まる者はいなかった。

 

理由は単純で、そこに住んでしまうと、二度と外に出られなくなるからだ。

その街に、一人の旅人が迷い込んだ。

 

名前はもう思い出せない。

ただ、彼がそこに入ったとき、空は灰色で、風は重く、どこか懐かしい哀しみが街の隅々にまで染み渡っていた。

 

最初の数日は、「通りすがりだ」と彼は思っていた。

ちょっと休んだらまた歩き出せると。

 

しかし、足は動かない。体は重く、目を閉じることさえ苦痛になっていた。

彼の足元には小さな泥の水たまりがあった。

 

初日はただの水たまりだった。

だが翌日には、それが膝までの深さになり、さらに数日後には腰、胸、肩、そして顎のあたりまで迫ってきた。

 

彼は叫んだ。

「誰か、助けてくれ! ここから出たいんだ!」

 

けれどその街では、誰も叫びに応えない。

なぜなら、他の住人たちもまた、自分の沼に沈んでいたからだ。

 

街には一つの病が蔓延していた。

「沼に沈む病」。

 

それは決して外傷を負うわけではない。

けれど、確実に心と体を蝕み、生きる力を吸い取る。

 

人は食べることを忘れ、眠ることを恐れ、朝が来るたびに絶望し、夜が来るたびに安らぎではなく空虚に包まれる。

 

旅人はある日、隣人に尋ねた。

「どうやって、ここに来たんですか?」

 

隣人はかすれた声で答えた。

「気づいたら、ここにいたんだ。

 

特別なことは何もなかった。

ただ、疲れていた。それだけだよ。」

 

その言葉に、旅人は恐怖した。

自分も、ただ「疲れていた」だけで、ここに来てしまったのだ。

 

そして今、自分もまた、誰かに「気づいたらここにいた」と答える未来が見える気がした。

それでも、彼は足掻いた。

 

泥の中で、少しでも上を目指し、手を伸ばした。

何かにしがみつこうとした。

 

けれど泥は粘り気を増し、体はさらに重くなる。

まるで意思を持つ生き物のように、彼を引きずり込んでいく。

 

「もう、やめようか」と旅人は思った。

「戦う意味があるのか?」

 

そのとき、ほんのわずかだが、空の色が変わった。

長く灰色だった雲の向こうに、青が混じった気がした。

 

ほんの少し。ほんの数秒。

それだけで、彼はまた手を伸ばす気になった。

 

希望ではない。

ただの反射だったかもしれない。

 

でも、その「反射」が、かろうじて彼の息を繋いだ。

底なし沼の街では、「良くなる」という言葉はほとんど使われない。

 

代わりにこう言われる。

「今日、死ななかった。それがすべてだ。」

 

旅人もまた、そう呟くようになった。

毎朝、泥の中で目を開け、「今日も、ここにいる」と言い聞かせる。

 

そして、何もできずに一日を終える。

けれど、それでも彼は生きている。

 

なぜか? 理由はない。

ただ、生きているという事実が、彼の唯一の証拠だった。

 

ある日、街に小さな音楽が流れた。

どこからともなく。

 

優しい旋律だった。

誰かが口ずさんでいた。

 

旅人は耳を傾けた。

泥の中でも音は聞こえるのだと知った。

 

「こんなところでも、歌える人がいるのか」

それは驚きだった。

そしてその日、旅人はほんの少しだけ泥の中から顔を上げた。

 

完全には出られない。

 

今日も、明日も、しばらくは泥の中だろう。

 

でも、その日旅人は確かに、ほんの一瞬だけ、空を見た。

 

 

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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。

 

うつの時ってひとりではどうにもならないよね

私は大変だったんだ