朝が来るのが怖い。
けれど夜が終わらないのも怖い。
眠れないまま夜が明けていく。
空が白んでくるのを見ると、なぜか罪悪感に似たものが胸に湧く。
「また何もできずに一日を始めてしまった」。
いや、始める気力なんて最初からないくせに、なぜか自分を責めてしまう。
部屋の隅にたまる埃、洗っていないコップ、返していないメール、放置したままの書類。
全部、目に入るたびに「お前はだめだ」と言われているようで、見ないふりをする。
けれど見ないふりにも限界がある。
ふとした瞬間に、それらの「できなかったこと」が胸に刺さってくる。
そして自己嫌悪が始まる。
「何もできない自分」を責める。
責めすぎて、「せめて呼吸を止めることができたら楽なのに」と思う。
うつ病と診断されたのは数年前。
でも、もっと前から「何かおかしい」とは感じていた。
笑えない、食べられない、眠れない。
人と話すと頭が真っ白になる。
買い物すら怖くて外に出られない。
人の目が痛い。
なぜこんなにも世界が怖いのか、自分でもわからなかった。
当時は「甘え」だと思われたくなくて、必死に働いていた。
会社に行く。
メールを返す。
ミスをしないよう神経をすり減らす。
帰宅すると泥のように倒れて、食事もとらずに眠る。
けれど眠れない。
心がずっと騒がしくて、目を閉じても嫌な記憶や未来への不安が襲ってくる。
いつの間にか、電車のホームで「このまま飛び込んだら、全部終わるのかな」と考えるようになっていた。
それでも、靴を一歩前に出すことはできなかった。
心の奥で、「死にたい」と「生きたい」が喧嘩していた。
どちらも本音で、どちらにも勝たせたくなかった。
「うつは心の風邪」なんて言葉をよく聞くけれど、それは軽すぎると思う。
実際は「心のがん」と言ってもいい。
少しずつ心を侵し、壊していく。
命のエネルギーをじわじわ奪っていく。
朝起きて顔を洗う、それだけのことができない。
文字が読めない、音がうるさくて吐きそうになる、人と話すと頭が痛い。
社会は「頑張ればできる」「やる気の問題」と言ってくる。
でも、うつになると「やる気」なんて言葉はどこか遠くの国の言語に思える。
呼吸するだけで精一杯なのに、どうして「もっと頑張れ」と言われるのか。
私が「助けて」と言ったとき、「みんなつらいんだよ」と返されたことがある。
それ以来、人に話すのをやめた。
言っても無駄だ。
「わかってもらえない」経験を繰り返すうちに、口を閉ざすようになった。
それでも心のどこかで、「わかってほしい」と思っている自分がいる。
この苦しみを、誰か一人でもいいから、受け止めてほしい。
この絶望の海に溺れている自分を、「ここにいるよ」と言って見つけてほしい。
病院に通うようになった。
薬を飲み始めた。
何も変わらなかった。
むしろ悪化した時期もあった。
でも、主治医は「焦らなくていいよ」と言ってくれた。
「今日はベッドから出られました」
「今日はシャワーを浴びられました」
「今日はメール一通返せました」
そんな小さな「できた」ことを報告すると、先生はちゃんと褒めてくれた。
最初は「それくらいで…」と思ったけれど、ある時ふと気づいた。
この「それくらい」が、今の私にはとても大きなことなんだ、と。
地獄のような毎日でも、わずかな光はある。
それは人の言葉だったり、猫の寝顔だったり、音楽だったり、空の青さだったり。
その小さな光を「希望」と呼ぶにはまだ遠いけれど、それを「生きる理由」として数えてもいいのかもしれない。
このブログを書いている今も、正直、つらい。
未来のことを考えると吐き気がする。
けれど、今日こうして文章を書けているという事実が、わずかな誇りになる。
もしかしたら、これを読んでくれているあなたも、同じような地獄にいるのかもしれない。
だとしたら、伝えたい。
あなたは一人じゃない。
私たちはこの闇の中で、もがいて、必死に生きようとしている。
それだけで、十分すごいことだ。
明日もまた、地獄のような一日かもしれない。
でも、生き延びた今日は、奇跡の一日だと思いたい。
せめて、自分だけは、自分を見捨てたくない。
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小児がんと難病の子から元気をもらう
良かったら読んでいただけたらと思います
少しでも生きる力をみいだせれば幸いです
https://note.com/reimi_tutu/n/nba0d2059f547
医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ