朝なのか夜なのか、もう分からない。
カーテンは閉じたままで、光も音も遮られている。
時計の針が動いているのかどうか、確かめる気力もない。
けれど、何かが確実に過ぎていく感覚だけが、身体のどこかで鈍く響いている。
目は覚めた。
でも、それは「起きた」とは言えない。
ただ意識が浮かび上がってきただけだ。
目を開けるのも、ひどく疲れる。
まぶたの裏にまだ夢の残骸がへばりついていて、現実と混ざり合って、どこまでが本当か分からない。
私は、ここにいる。
だけど、自分が「生きている」と言っていいのかどうか、よく分からない。
部屋の中は静かだ。
テレビもラジオも、もちろん人の声もない。
壁に囲まれた空間は、まるで音のない牢屋のようで、私の存在も吸い込まれていく。
何も響かないし、何も返ってこない。
私は、何もしていない。
ただ呼吸をして、眠って、目を覚まして、また眠る。
その繰り返し。
時計の針もカレンダーの数字も、何の意味も持たなくなって久しい。
日付は、ただの記号でしかない。
かつては、ちゃんと朝起きて、仕事に行って、帰って、ご飯を食べて、風呂に入って、寝るという生活を送っていたはずだ。
それが、いつから崩れたのかは覚えていない。
気づいたら、もう何一つ自分でコントロールできなくなっていた。
歯車が止まったまま、どうやっても再起動できない。
人に会うのが怖い。
話すのが怖い。
返事を返さなきゃいけない、顔色を読まなきゃいけない、「元気そうに振る舞わなきゃ」という無言の義務が、重くのしかかる。
そうして、連絡を絶つ。
誰にも返信しないまま、日が過ぎていく。
罪悪感だけが、静かに、でも確実に私を蝕んでいく。
「大丈夫?」と聞かれることが、なぜあんなに苦しいのだろう。
「頑張って」と言われることが、どうしてあんなに痛いのだろう。
優しさが毒になる。
励ましが刃になる。
誰かの言葉に、どう返していいか分からない。
だから沈黙を選ぶ。
でも、沈黙はまた、誤解を生む。
自己嫌悪が深まる。
出口のない負の連鎖。
部屋の隅には、着られなかった服や、食べかけで放置されたままの食事、ゴミ袋がそのまま積み上がっている。
片付けなきゃ、と思う。
でも「思う」だけで終わる。
身体が動かない。
いや、正確には「動かす理由」が見つからない。
何のために、片付けるのか。
誰のために、きれいにするのか。
「普通」が、もう思い出せない。
「ちゃんとする」という感覚が、遠い昔の幻のようになっている。
眠りたい。
でも眠れない。
ようやく眠っても、悪夢で目を覚ますことがある。
無数の声が責め立てる夢。何かを失い続ける夢。
落ち続ける夢。
目覚めた後もしばらく、夢と現実の境界が曖昧で、心臓がバクバクと鼓動を打っている。
夢の中でさえ、私は救われない。
それでも、たまにふと、「このままじゃいけない」と思う瞬間がある。
外の空気を吸いたいと思うことがある。
でも玄関まで行けない。
扉の向こうが、遠い世界に思える。
この部屋の中が地獄であると同時に、唯一の避難場所でもあるという矛盾。
どこにも逃げ場がない。
「死にたい」とは違う。
「終わりにしたい」。
それが近い。
何もかもが、静かに、自然に、終わってくれたらいいのに。
朝も夜もない空間で、ただ眠るように消えてしまいたい。
でも、そんな願いすら罪悪感に変わる。
「誰かが悲しむかもしれない」「自分は甘えているだけなのかもしれない」と、心の奥から誰かの声が響く。
本当に、自分の声なのだろうか。
それとも、過去に聞いた誰かの声が、今も私の中で反響しているだけなのだろうか。
今日も、ご飯は食べられなかった。
風呂にも入っていない。
何もできなかった。
でも、「まだここにいる」。
それだけが、事実だ。
何の価値もないように思えるこの「在り続ける」ということが、たった一つの「生きている証」なのかもしれない。
もしかすると、誰かがこの文章を読んでくれるかもしれない。
同じように、静かに苦しんでいる人がいるかもしれない。
もしそうなら、私はその人に伝えたい。
「今、何もできなくても、それでもあなたは悪くない」と。
誰にも見えない地獄の中で、今日も私は、息をしている。
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ