うつ地獄日記 ― 静かなる終わらない夜
朝が来る。
けれど、それは希望の光ではない。
ただ、眠れぬまま夜を乗り越えたという事実の通知のようなものでしかない。
布団の中で目を開ける。
重い。
体が、じゃない。
心が、魂が、存在が、重い。
理由なんてない。
何も起きていない。
けれどすでに打ちのめされている。
目が覚めたことが敗北であるような、そんな始まり。
天井をじっと見つめて、動けない。
頭の中に靄がかかり、何も考えられないのに、同時にいくつもの言葉にならない感情がぐるぐると渦を巻いている。
「今日も何もできない」「誰からも必要とされていない」「生きている意味がない」――そういった思考が自動再生されるラジオのように、静かに、しかし確実に私を壊していく。
スマホに手を伸ばす。
通知はゼロ。
誰からも連絡はない。
連絡が来たら来たで応答できないくせに、来なければ来ないで「やっぱり私は独りだ」と思い知る。
人のぬくもりが怖いのに、人の気配がないと死にたくなる。
この矛盾の中で、私は生きているのではなく、ただ存在しているだけ。
体を起こすのに、2時間かかる。
水を飲むだけで、吐き気をこらえる。
食欲なんてものは、とうの昔に忘れた。
台所に立って、何もできずに立ち尽くす。
冷蔵庫を開けても、何も食べたくない。
何も選べない。
選ぶという行為が、もう重労働なのだ。
テレビの音が煩わしい。
音楽が耳を裂く。
言葉がすべて嘘に聞こえる。
楽しそうな声、笑い声、CMの明るい音、すべてが遠い世界のものだ。
自分には関係ない、触れられない、届かない。
何を見ても、自分はその輪の外にいる。ずっと、ずっと。
日中は寝てしまう。
眠りは逃避であり、唯一の安堵の時間だ。
しかし、眠っても休まらない。
夢の中でも責められる。過去の失敗、失ったもの、取り戻せない人間関係、すべてが夢の中で反芻される。
目覚めても、疲労が増えているだけ。
夕方になると、焦りがくる。
「また今日も何もしなかった」と責めが始まる。
やらなきゃいけないことはある。
でも、できない。
やらなきゃと思えば思うほど、体が固まって動かない。
時間だけが過ぎていく。
自己否定の念が強くなる。
夜。
世の中が静まり返る時間。
私はその静けさに飲み込まれていく。
部屋の暗がりにうずくまり、涙も出ないまま、ただひたすら考える。
「消えてしまいたい」と。
死にたいとは少し違う。
ただ、自分の存在を終わらせたい。
誰にも迷惑をかけずに、ふっと消えてしまえたらどんなに楽かと。
でも、消えることもできない。
死ぬ勇気もない。
生きる意味もない。
どこにも行き場がない。
出口がない。
それが「うつ地獄」だ。
光も音も届かない。
助けの手も届かない。
誰かがドアをノックしてくれても、そのドアを開ける力すら残っていない。
声をかけられても、返す声が見つからない。
「甘えじゃないの?」「頑張ってみたら?」そう言われたくないから、もう誰とも話せなくなった。
孤独と静寂と自責と疲労だけが、この部屋を満たしている。
そんな中で、ただ日が過ぎる。
昨日と今日の違いも、もうわからない。
何日目の地獄なのか、数えることもやめた。
うつの地獄には底がない。
落ちるところまで落ちた、と思っても、その下がある。
這い上がろうとするたびに、さらに深い闇が口を開けている。
光を探そうと目を凝らせば凝らすほど、目が焼けるほどの暗闇に覆われる。
それでも、生きている。
生きてしまっている。
息をしている。
これが地獄でなくて、なんなのだろう。
明日が来る。
でも、それは救いではない。
ただ、またこの苦しみを繰り返す日が始まるというだけ。
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ