朝が来た。いや、来てしまった、というべきか。
昨日と同じ部屋、同じ天井、同じ布団。
だが、私の中に「同じ私」はもういない。
眠ったのか、眠っていないのかもわからないまま、体は重力に押し潰されているようにベッドに沈み続ける。
時計を見る。
6時を少し過ぎた。
なぜ目が覚めてしまうのだろう。
寝ている間くらい、何も感じたくない。
夢もいらない。
現実を忘れたいだけなのに、脳は容赦なく目を覚まさせる。
もう二度と朝が来なければいいのに、そう願っても、朝は律儀に訪れる。
顔を洗う気力も、着替える力もない。
歯を磨くことさえ「大仕事」に思える。
スマホには通知がいくつか来ているが、誰からかなんてどうでもいい。
返信する元気もない。
「既読スルー」? それどころじゃない。
私は今、「生きることをスルー」している。
人と会いたくない。
声をかけられたくない。
だけど、孤独にも耐えられない。
矛盾しているのはわかっている。
でも、それが今の私なのだ。
感情はすべてどこかに押し込められてしまったようで、表面には何も残っていない。
悲しみすらも、痛みすらも、遠くにぼんやりと浮かんでいて、手が届かない。
昔はもっと普通だった。
仕事もしていたし、笑うことだってあった。誰かとごはんを食べて、おいしいと感じることができた。
季節の移ろいに胸を打たれたり、小さな幸せに涙したりする感性が、確かに私にもあった。
だが今はもう、すべてが記憶の中の幻のようだ。
家族に「大丈夫?」と聞かれても、「うん、大丈夫」と答えるしかない。
本当は全然大丈夫じゃない。
むしろ、何一つ大丈夫なことなんてない。
生きているのが不思議なくらいだ。
それでも心配をかけたくないから、笑顔のフリをして、平気なフリをする。
演技はもう職人芸の域に達している。
病院に通っている。薬も飲んでいる。
でも、劇的に良くなることなんてない。
少し上向いたと思ったら、すぐにまた暗闇に突き落とされる。
ジェットコースターのような感情の波に、もう疲れ果てている。
正直、薬を飲む手が震える日もある。
副作用? そんなのどうでもいい。
ただ、この地獄から抜け出せるなら、何でもいい。
「頑張って」「気晴らしに出かけてみたら?」「みんな辛いんだよ」。
そんな言葉がどれほど無力か、うつを経験したことのない人には決してわからないだろう。
励ましのつもりなんだろう。
でも、それはまるで溺れている人に「泳げばいいじゃん」と言っているようなものだ。
私はもう、体も心も沈みきっていて、水面がどこにあるのかさえ見えない。
何もしたくない。テレビも観たくない。
本も読めない。
音楽さえうるさい。
静寂だけが心地よい。
でも、その静寂も、やがて「音のない騒音」に変わる。頭の中がざわついて、過去の失敗や後悔、恥、自己嫌悪が次から次へと襲ってくる。
逃げ場はどこにもない。
逃げる力すら、もう残っていない。
死にたいと思うことはある。
いや、正確には「生きたくない」と言うべきかもしれない。
この苦しみが続くくらいなら、何も感じない方がマシだと、何度も思った。
でも、実行には移せない。
怖いとか、未練があるとか、そういうことじゃない。
ただ、死ぬためのエネルギーすらもう残っていないのだ。
誰かにこの気持ちを伝えたいけど、言葉にするのが難しい。
言ったところで、理解されないことはわかっている。
理解してほしいとも、もう思えない。
ただ、この地獄に一人でいることがあまりに苦しくて、せめて誰かに「そこにいる」ことだけでも知っていてほしいのかもしれない。
明日もきっと同じ一日がやってくる。
いや、同じ「地獄の繰り返し」が続くだけだろう。
だけど、それでも私は今日を記録する。
この痛みを、虚無を、誰にも届かなくてもいいから、書き留めておきたい。
私がここにいた証として。
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ