朝が来たことに気づくたび、私はまた生きているのかと絶望する。
目を開けても光は差し込まず、音も香りも感情もすべて、どこか薄く平らで無意味なものになっている。
外の世界は動いているはずなのに、私の内側だけが時間を止められている。
心が、体が、石のように沈んでいて、呼吸すら億劫だ。
布団から出るという、ごく普通の行動にさえ何時間もかかる。
何をしても、何を見ても、心がまるで反応しない。
テレビをつければ音が耳に入るが、意味が頭に届かない。
SNSを開いても、そこに写る人々の笑顔や日常が、異世界のように遠く感じる。
それどころか、彼らの元気そうな姿が私には鋭利な刃物のように突き刺さり、「お前はだめだ」「お前は価値がない」と心の奥底で声が響く。
食欲がない。
けれど何か食べねばと無理やり口にする。
味はしない。
ただ、胃に何かを詰め込んでいるだけ。
飲み込むのすらつらく、喉が拒絶している。
体が生きようとしない。
生きるための機能すら、どこか壊れてしまったかのようだ。
トイレに行くことすら忘れそうになる。
時間の感覚がなくなって、昼か夜かもわからない。
時計を見ても、数字がただの記号にしか見えない。
歯も磨けない。着替えもできない。
人と話すことなんて、とても無理だ。
声を出すことが怖い。
言葉を探しても見つからない。
頭の中は靄がかかったようにぼんやりしていて、思考がまとまらない。
まるで壊れかけた機械のように、同じことばかり繰り返している気がする。
「なぜ生きているのか」「なぜ私はこうなったのか」――そんな問いが頭の中をぐるぐると巡る。
答えなんてないとわかっているのに、問いが止まらない。
過去の失敗、傷つけた人、傷つけられたこと、すべてがフラッシュバックのように襲いかかってくる。
眠っていても夢の中にそれが現れ、目が覚めればまた現実の地獄が待っている。
逃げ場がない。
医者は言う。
「薬を飲んで、少しずつ良くなるから」。
けれど、その「少しずつ」がどれだけ遠い道のりなのか、彼らにはわからない。
薬を飲んでも劇的に変わることはない。
むしろ副作用で体が重くなったり、頭がぼんやりしたりして、余計に自分を責めたくなる。
こんな自分が嫌いで、でも変われなくて、どうしたらいいのかもわからない。
誰かに助けてほしい。
でも、その「誰か」がどこにもいない。
家族も友人も、もう連絡する気力すらない。
心配されるのが怖い。
「がんばって」「気分転換してみたら」「趣味を持ってみたら」といった言葉が、私には残酷に響く。
そうじゃないんだ、そういう次元じゃないんだ――けれど、それを言葉で伝える力もない。
理解されない孤独が、一層私を地獄に沈めていく。
風景は灰色に見える。
世界が色を失っているように感じる。
かつて好きだった音楽、映画、読書、何もかもがただの雑音に思える。
感情の起伏がない。
怒ることも、笑うことも、泣くことさえ難しい。
涙が出ればまだましだと思う。
泣けない私は、完全に感情の死を迎えてしまったのかもしれない。
時折、「死にたい」と思う。
でもそれは「本当に死にたい」というよりも、「この地獄から逃げたい」「何も感じないまま、ただ終わってほしい」という願望に近い。
何もかもがつらいのではなく、何もかもが無意味で、虚無に押しつぶされそうになる。
存在していること自体が苦痛だ。
誰かの役に立っていない自分、社会の足手まといである自分、何も生み出せない自分――そんな自分を許せず、責め続ける毎日。
それでも、生きている。
生きてしまっている。
この中途半端な「生」が一番つらい。
いっそ、何も感じずに死ねたら楽なのに。
だけど死ぬ勇気もない。
その勇気すらも、この病は奪っていく。
今日もまた、ひとつも前に進めなかった。
でも、せめてこの文章を書くことで、「私はここにいる」と誰かに伝えたかった。
生きていることは苦しみの連続だけど、誰かに見ていてほしい。
理解されなくてもいい。
ただ、「そういう人がいる」と思ってもらえるだけで、少しだけ、ほんの少しだけ、生きる意味に近づける気がする。
どうか、どこかで同じように苦しんでいるあなたにも、この言葉が届きますように。
あなたはひとりじゃない。
私も、ここで地獄を生きている。
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https://note.com/reimi_tutu/n/nba0d2059f547
医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ