朝、目が覚める。
いや、正確には「目を閉じたまま夜をやり過ごしていた意識が、またこの地獄に引き戻される」と言った方が正しい。
体は重く、まぶたは鉛のように落ち、呼吸をすることすら意志の力が必要だ。
ベッドの上で横たわるまま、天井を見つめている。
なぜ自分はここにいるのか、何をして生きているのか、その問いすらもう湧いてこない。
部屋のカーテンは閉め切ったまま。
光が怖い。まぶしさが痛みに変わる。
誰かの声、外を歩く人の足音、郵便受けに投げ込まれるチラシの音、すべてが鋭利なナイフのように胸に突き刺さる。
音も匂いも、すべてが自分を拒絶しているような感覚。
世界が自分を必要としていない。
それどころか、自分がここにいることが間違いのようにすら感じる。
スマホを見ると、未読のメッセージがいくつか溜まっている。
「元気?」「最近どうしてる?」「心配してるよ」…返信できない。
いや、返信したくない。
この地獄の中で、相手の善意は刃になる。
「気にかけてくれている」と頭ではわかっていても、心が追いつかない。
「元気じゃないよ」「最近は毎日が苦痛でたまらないよ」なんて言えるはずもないし、だからといって「大丈夫」と嘘をつく気力もない。
結局、未読のままにしてしまう。
放置が続いて、誰も連絡してこなくなる。
ああ、これでまた一つ、人との繋がりが消えていく。
食事も、風呂も、すべてが「戦い」になる。
お腹は空いているはずなのに、食べ物を口に運ぶことができない。
箸を持つ手が震える。
涙が出そうになる。
なぜこんなことすらできないのだろう?
風呂に入るなんて。
身体の不快感には気づいている。
でもそれを何とかするエネルギーがもう残っていない。
テレビも見られない。
ネットも見られない。
画面の向こうで、誰かが笑っているのを見ると、胸が苦しくなる。
世界は自分を置いて進んでいく。
季節が変わっても、自分は取り残されたまま。
時の流れだけが無慈悲に背中を押してくる。
生きているのに、死んでいるようだ。
いや、むしろ死んでしまった方が楽になれるのではないか…そんな考えがふと頭をよぎる。
だけど死ぬ勇気すらない。
ただ、生きているだけで、消耗しきっている。
まるで呼吸するたびにエネルギーを吸い取られていくようだ。
寝ても回復しない。
夢の中ですら苦しい。
むしろ夢の方がリアルで、目が覚めると現実の重さに押しつぶされる。
時々、「自分は誰かに必要とされているのだろうか?」と考える。
でもその答えが恐ろしくて、深くは掘り下げられない。
この状態を誰かに説明しても、たぶん伝わらない。
「もっと気分転換した方がいいよ」とか「運動するとスッキリするよ」とか、そんな無神経な正論が返ってくるだけだ。
そんな言葉を聞くたびに、自分がどれだけ壊れているかを突きつけられる。
正常な世界に適応できない異物。
それが、いまの自分だ。
ふと、過去の自分を思い出す。
笑っていた。働いていた。
友達とくだらないことで盛り上がっていた。
あの頃は、普通に生きていた。
未来を信じていた。
あの自分は、どこへ行ってしまったのだろう。
いま目の前にあるのは、曇った鏡に映る廃人のような姿。
目の光が死んでいる。
心が空洞のようにスカスカだ。
それでも、生きている。苦しいけど、生きている。
意味があるのかと問われれば、答えられない。
でも、たとえ1ミリでも前に進めたら、それだけでもう十分だと思うことにしている。
今日、目を開けて、布団の中で1時間耐えた。
それだけでも「がんばった」と言ってやりたい。
誰も認めてくれなくても、自分くらいは、自分を認めてやりたい。
うつの地獄は、誰にも見えない牢獄だ。
叫んでも声は届かない。
出口は見えない。
でも、それでも。
言葉にならなくても、こうして書くことで、ほんの少しだけでも、この地獄を外に吐き出すことができるなら、今日という日は無駄じゃなかったのかもしれない。
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ