
朝が来た。
それだけで、全身が鉛のように重くなる。
目を覚ますたびに、「また生きてしまった」と思う。
まるで罰のように、今日という日が始まる。
カーテンの隙間から差し込む朝日さえ、今の私には敵にしか思えない。
世界は動いているのに、自分だけが時間の底に沈んでいる。
そう感じるのが、もう何日続いているだろう。
この地獄には音がない。
静かすぎて、逆に耳鳴りがする。
テレビの音も、誰かの笑い声も、家族の話し声も、すべて膜の向こう側で起きているように感じる。
私はただ、布団の中で目を見開いたまま、息をしているだけの存在だ。
時間の感覚は曖昧で、朝昼夜の区別もつかない。
時計を見ても数字が読めず、スマホを手に取っても文字が脳に入ってこない。
情報を処理する力が、どこかに落ちてしまった。
誰にも言えない。
この苦しみを、誰にも伝えられない。
家族は心配してくれている。
それは分かる。
でも、だからこそ、余計に何も言えない。
「大丈夫?」と聞かれるたびに、自分が迷惑をかけていることを思い知らされる。
「また寝てたの?」という言葉が、まるで「また何もしていないの?」と聞こえる。
本当は、起き上がろうと何度も思った。
でも、足が動かない。
頭の中で「起きろ」と叫んでいるのに、身体が言うことを聞かない。
たまに外に出ようとする。
玄関まで行って、靴を履こうとする。
でも、その手前で心臓がドクドクと激しく鼓動し、目の前がグラグラと揺れ出す。
全身が汗でびっしょりになり、結局は部屋に引き返す。
窓から見える人々の姿は、異世界の住人のようだ。
普通に働き、歩き、笑い、買い物をしている。
私には、それがまるで奇跡のように見える。
誰かと話したい気持ちはある。
でも、同時に誰にも会いたくない。
矛盾しているのはわかっている。
でも、これが現実だ。LINEの通知が来ても、開けることができない。
「元気?」の文字が怖い。
「返信しないと嫌われる」と思いながらも、手が動かない。
そのまま既読もつけられず、画面を閉じる。
何日も、何週間も、誰とも会話していない。
言葉の使い方を忘れそうだ。
食事もろくに取れない。
お腹が空いても、台所に立つ力がない。
パン一枚をかじるのにさえ、気力が要る。食べても味がしないし、食べなければ体がふらふらする。
どちらにしても苦しい。
水を飲むだけで精一杯な日もある。
体重はじわじわと減っていく。
痩せても誰にも気づかれない。
気づかれたくもない。
私が壊れていく様子を、誰にも見られたくない。
夜になると、さらに地獄は深まる。
眠れない。
横になっても、心がざわざわして眠れない。
過去の失敗、嫌な言葉、自分の情けなさが頭の中でリピートされる。
目を閉じると、記憶が刃物のように突き刺さる。
「消えたい」と思う。
でも、「死にたい」と言葉にすると、誰かを心配させるから言えない。
そうやって、また誰にも言えずに、布団の中でひとり涙を流す。
「生きていても、意味がない」と何度も思った。
でも、それができない。
私がいなくなったら、残された家族はどうなるのか。
その想像が、唯一の歯止めになっている。
だからこそ、この苦しみがまた続いていく。
この地獄から抜け出す道が見えない。
出口のないトンネルの中を、ひたすら這い続けているような日々だ。
それでも今日、こうして文章を書いている自分がいる。
指を動かして、言葉を並べることができている。
これが少しの光かもしれない。
誰かに届かなくても、自分に向けて残すために書く。
たとえ意味がなくても、「生きている証」として残したい。
いつか、今日という日を「生き延びた」と思える日が来るのだろうか。
今はまだ信じられないけれど、それでも、ただ静かに、今日もこの地獄を耐えている。
――私は、まだ生きている。
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ
