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KIZUNA  うつ病だけど もう少し 生きてみます。

障害2級 重度のうつ病日記 長男と家族の闘病余命宣告

うつ病日記地獄― 静かなる沈没 714

朝、目を覚ました。

いや、正確には「目が覚めてしまった」。

 

それが一日の始まりだ。

目を開けた瞬間、深いため息が漏れる。

 

まるで、今日もまた「終わらない一日」が始まってしまったことに絶望するかのように。

カーテンは閉じたままだ。

 

隙間から差し込む光が、刺すように目に痛い。

あの光は、元気な人間のためのものだ。

 

わたしには眩しすぎる。
腕を動かす。

 

重たい。

背中が湿っているような感覚。

 

夜中、夢を見た気がする。

何の夢だったかは思い出せない。

 

ただ、目が覚めた時に強烈な疲労だけが残っている。

夢の中でも、休まらない。

 

布団から出るのに一時間かかる。

トイレに行きたいのに、体がいうことを聞かない。

 

頭の中では「行け」「立て」「お前は人間として最低限のこともできないのか」という声がぐるぐる回っている。

 

自分の声だ。
うつ病になってから、自分が自分の敵になった。

 

こんな皮肉があるだろうか。

誰よりも自分が、自分を苦しめる。

 

優しいふりをして、淡々と「もう終わりにしよう」と囁いてくる。

トイレに行く。

顔を洗う。

 

鏡を見ると、そこにあるのは、何も感じていないような表情の自分。

目だけが疲れている。

 

眉毛は下がり、唇は開きかけて、何かを言いかけたまま固まっている。

リビングには家族がいる。

 

わたしは、そこにうまく混ざれない。

混ざる資格がない気がして、彼らの視界に入らないようにキッチンの隅に立つ。

 

コップに水を入れる音だけが、自分の存在を証明している。

「おはよう」と妻が言う。

 

返事をするのに、数秒の沈黙が必要だ。

喉が塞がれているような感覚。

 

声は出たが、聞き取れたかどうかもわからない。

テレビの音が遠くで鳴っている。

 

ニュースキャスターが元気な声で「今日も暑くなりそうですね!」と言う。

わたしはその明るさが怖い。

 

まるで異世界の言語のようだ。

あの温度には、もうついていけない。

 

心が冬のまま、何年も経ってしまった。

食欲はない。

薬だけ飲む。

 

胃の中に重りが沈んでいくような感覚。

何も食べていないのに、重い。

 

何かが溜まっている。

それはきっと、言葉にならない感情の沈殿物だ。

 

今日も予定はない。

いや、あるにはある。

 

病院の予約がある。

けれど、そこに行く意味がわからない日もある。

 

薬をもらうだけのために片道30分、暑い中を歩く。

それすら拷問のように思える。

 

誰かと会うことが怖い。

誰かと話すことが、もうできない気がする。

 

言葉を選ぶ余裕がない。

笑うタイミングがわからない。

 

共感も、反応も、全部が面倒くさくて、怖い。
それでいて、誰にも会えないと、寂しい。

 

苦しい。

誰かに気づいてほしい。

 

でも気づかれると、恥ずかしい。

この矛盾の渦に、わたしは今日も沈む。

 

夜になった。

部屋の灯りをつけるのを忘れて、いつの間にか暗闇の中にいた。

 

目が慣れて、闇が居心地よくなっていることに気づいて、少しぞっとする。
わたしはこの闇を受け入れ始めているのか?

 

この無音の中に、自分の棲家を見つけようとしているのか?

SNSを開くと、友人たちの写真。

 

旅行、食事、子どもの笑顔。

いいねの数。

コメントのやり取り。
すぐにアプリを閉じる。

 

もう無理だ。

あれを「自分とは無関係の世界」と思えるまでに、どれだけ時間がかかったか。

 

深夜、ベッドに戻る。

今日一日、何をしたか思い出す。

 

トイレ、薬、水、沈黙。
何もしなかった。

でも、それが精一杯だった。

 

何もできなかったけど、「今日を生き延びた」というだけで、ほんのわずかだけ、涙が出そうになる。

 

誰にも褒められないし、誰にも認められない。

それでも、自分の中では、今日がギリギリの戦いだった。

 

うつ病というのは、戦争だ。

銃も砲弾も出ない。

 

でも、毎日、自分自身と殺し合いをしている。
「終わらせたい」と「まだ続けよう」が、互いの首を絞め合っている。

 

誰にも見えない戦場で。

今日も、勝ったのか、引き分けだったのか、

 

それとも負けたのか、よくわからない。
ただ、心臓はまだ動いている。

呼吸もある。

 

そういう事実だけが、わたしを明日に繋いでいる。

 

もし、誰かがこの日記を読んだとしても、理解されるとは思っていない。
でも、ひとつだけ言えるとしたら――

 

「生きているだけで、もう充分なんだよ」

 

そう、誰かに、そして自分に言ってあげられる日が、いつか来てほしいと、願っている。

 

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https://note.com/reimi_tutu/n/nba0d2059f547

 

医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。

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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。

 

ひとりではどうにもならない時あるよね

私は大変だったんだ