
朝。目が覚めるというより、意識が浮かび上がってしまったという感覚。
眠れたかどうかもわからない。
ただ、夢と現実の境目が曖昧で、頭の中はもやの中にあるようだった。
体が重くて、ベッドから起き上がることができない。
今日が何曜日なのかも定かじゃないけれど、カレンダーを見るのが怖くて、スマホも触れない。
「また今日が始まってしまった」と思う。
この世に存在すること自体が罪のような気がして、空気を吸うことすら申し訳なくなる。
家族の気配がするたびに、胸の奥に痛みが走る。
自分は何もしていない。
いや、何も“できない”。
うつ病になるまでは、「できない」という言葉はただの言い訳だとさえ思っていた。
でも今は違う。
やろうとすると、心の中に巨大な岩のようなものが立ちはだかって、何一つ前に進まない。
家族は心配してくれている。
でも、その「優しさ」が今の自分にはつらい。
「無理しないでね」と気遣ってくれるのに、返す言葉がない。
心の中に「ごめん」が渦巻いて、何千回も繰り返される。
「ごめん」「ごめん」「本当にごめん」。
でも謝ったところで、何も変わらないし、何より自分自身がこの地獄から抜け出す方法を知らない。
午前中はただベッドに横たわって、天井を見つめて過ごす。
時間の感覚はほとんどない。
時計を見ても、「今が何時か」より「まだこんなに時間があるのか」と思ってしまう。
1日が永遠のように長い。
誰もが「1日は24時間」と言うけれど、うつの地獄では1時間がまるで1年のように感じる。
苦しみが延々と続く。
午後、なんとかトイレに行き、水を飲み、何か口に入れる。
でも味がしない。
食欲なんてない。
ただ、「食べなきゃ死んでしまう」という義務感だけで動いている。
正直、死んでしまってもいいと思うこともある。
でも「自殺」はできない。
なぜなら、それをしてしまったら、残された家族がもっと苦しむことになるから。
だから、生きるのではなく、「死ねないから存在している」だけなのだ。
SNSを見ると、みんなが「今日も頑張ってる」とか「やりがいある仕事」とか「家族と幸せな時間」などと投稿している。
それを見てしまった瞬間、心がガラガラと崩れていく。
自分は何もしていない。
誰の役にも立っていない。
むしろ、誰かの足を引っ張っている。
自分という存在が迷惑でしかないという感覚が、胸を押し潰すように広がっていく。
夕方、リビングから笑い声が聞こえる。
でも、自分はそこに入っていけない。
壁一枚、ドア一枚の距離が、何百メートルにも感じる。
心がシャッターを下ろしてしまっている。
笑うことができない。
テレビを見ても、内容が頭に入ってこない。
ただ画面が動いているだけ。
それなのに、家族の前では無理に笑ってしまうこともある。
「大丈夫だよ」と嘘をついてしまう。
「心配させたくない」と思ってしまうけれど、それは結局、自分が嫌われたくないだけなのかもしれない。
夜になると、焦りと絶望が同時に襲ってくる。
何もできなかった1日。
何の意味もなかった1日。
何も進まなかった自分。
何も成し遂げられなかった罪悪感。
ベッドに横になっても、目を閉じると責める声が聞こえる。
「怠け者」「甘え」「何やってんだ」「お前のせいで…」。
実際に誰かが言っているわけではない。
でも、自分の中に住み着いた「もう一人の自分」が、いつもささやいてくる。
「お前なんかいなくてもいいんだよ」と。
それでも、朝はまた来てしまう。
そして、また今日が始まってしまう。
――この繰り返しが、うつ地獄の日常。
生きているだけで、苦しい。
何もしていないのに、疲れる。
何も得られないのに、失っていく。
自分という存在が、じわじわと溶けていくような感覚。
時間も空間も感情も、全部が灰色に染まっている世界。
それでも、書いている。
言葉を綴ることで、ほんの少しでも「ここにいる」と証明したいのかもしれない。
誰かが読んでくれたら、「自分の苦しみは存在していた」と思えるかもしれない。
うつ地獄の底から、かすかな声を発してみる。
それが、誰かの心のどこかに届いてくれることを、ただ願いながら。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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https://note.com/reimi_tutu/n/nba0d2059f547
医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ
