朝、目を覚ました瞬間、重たい鉛のような感覚が胸を押し潰す。
眠っている間だけが、唯一、苦しみから解放されている時間だ。
目覚めとは、地獄への再入場。開いた目から差し込む光が痛い。
音も匂いも、すべてが現実を思い出させる。
そして、また問いが浮かぶ。
「どうして自分は生きているんだろう?」
この問いは、もう何年も前から自分の中に棲みついている。
気づいたらいつもそこにいる。
何かをしていても、誰かと話していても、ふとした隙間からこの問いが顔を出す。
「なぜ、まだ生きているんだ?」と、自分で自分に詰め寄るように。
生きる意味が見つからない。
生きている価値もわからない。
社会の一部になれず、誰かの役にも立っていない。
家族には迷惑をかけ、友人とは疎遠になり、仕事も続かず、ただ日々を耐えるだけの存在になった。
「生きていても意味がない」という感覚は、もう習慣のようになってしまった。
でも、それでも生きている。
どうしてなのか、自分でもよくわからない。
もしかしたら、怖いのかもしれない。
死ぬことが。
死の恐怖ではなく、「失敗すること」の恐怖。
自殺に失敗して、もっと深い地獄に落ちてしまうことへの恐怖。
あるいは、家族の顔がよぎるから。
迷惑をかけていると思っていても、彼らの心の中にぽっかりと空いた穴を想像すると、踏み込めない自分がいる。
それとも、ほんのわずかな希望が残っているのかもしれない。
いつか、少しは楽になる日が来るんじゃないかという淡い期待。
根拠のない空想のようなもの。
でも、それが心の底で自分をつなぎ止めているような気もする。
うつ病という病は、心の中のすべての色を奪っていく。
喜びも、楽しみも、感動も、ぜんぶ灰色になっていく。
何を見ても「無意味」だと感じる。
誰かの笑顔も、子どもの声も、美しい景色も、全部遠い世界の出来事。
自分には関係のないことだと、壁ができてしまっている。
「生きていればきっといいことがある」なんて言葉をかけられても、耳には届かない。
いや、届いても、それが自分に起こるとは思えない。
ただの空虚な理想論にしか聞こえない。
毎日、布団から起き上がるだけで一苦労。
顔を洗うのに20分かかる。食欲もない。
時計の針だけが勝手に進み、自分だけが取り残されていく。
世の中のすべてが前に進んでいるのに、自分だけが時間に縛られ、同じ場所で膝を抱えている。
ときどき、ふとした瞬間に涙が出てくる。
何かが悲しいわけじゃない。
ただ、苦しさがあふれて、止められなくなる。
誰かに抱きしめてほしい。
でも誰にも会いたくない。
助けてほしい。でも誰にも頼れない。
「どうして生きているんだろう?」
この問いの答えは、たぶん一生わからない。
けれど、問い続けること自体が、生きている証拠なのかもしれない。
本当に生きる意味があれば、こんなに苦しまないのだろう。
けれど、「意味がないから死ぬ」というほど単純でもない。
人間は矛盾に満ちた生き物だ。
生きたくないのに死にきれない。
死にたいのに怖くて逃げてしまう。
それを何度も何度も繰り返す。
でも、そうやって生き延びてきた。
小さなことでも、ほんの一瞬だけでも、心が少しだけ動いたことがあった。
それが記憶の中にほんのかすかに残っている。
家族の笑顔、昔の音楽、優しい言葉。
どれも今は遠いけど、それでもどこかに存在していた事実。
それが、わずかな支えになることがある。
「生きててくれてよかった」と言ってくれた人がいた。
たった一人でも、そう言ってくれた人がいたということ。
それを思い出すとき、少しだけ心が温かくなる。
でもその温かさも長くは続かない。
すぐにまた、うつの波が押し寄せてきて、すべてを塗り潰していく。
それでも、今日は生きている。
答えは出ていない。
出口も見えない。
明日が来るのが怖い。
でも、生きている。
それが今の自分の、ただ一つの事実。
これを読んでくれているあなたも、きっと同じような問いを抱えているのかもしれない。
「なぜ生きているのか」と悩みながら、今日も何とか耐えているのかもしれない。
もしそうなら、伝えたい。
「あなたは、今、生きていてくれている。」
それは、とても尊くて、とても大切なことだと、私は思いたい。
希望が見えなくても、言葉が浮かばなくても、「生きている理由がわからない」と思いながらでも、生きていていい。
それが、うつ地獄の中にいる者同士の、ささやかな祈りなのかもしれません。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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少しでも生きる力をみいだせれば幸いです
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医師にタンパク質を摂りなさいと言われたので。
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私の時にこれらを利用してたら、また違った人生だったかもしれない。
ひとりではどうにもならない時あるよね
私は大変だったんだ
