
生き地獄の記録
今日もまた、同じ朝が来た。
目が覚めた瞬間から、胸の奥が重く沈む。
息を吸うことさえ苦しい。
何も始まっていないのに、もう一日が終わってしまったような疲れがある。
カーテンの隙間から差し込む光が痛い。
世界が生きている証のようで、今の自分にはそれがただの残酷な現実に見える。
ベッドから起き上がる気力がない。
けれど、横になっていても苦しい。
動かないことが苦しみで、動くことも苦しみ。
どちらを選んでも地獄しかない。
誰かに助けを求めたいのに、言葉が出てこない。
心が凍っている。何かを考えようとしても、思考は途中で止まり、空白だけが残る。
この静けさが怖い。
何も起きていないのに、心の中では叫び声が響いている。
「助けて」「もうやめたい」と何度も心の中で繰り返しているのに、誰にも届かない。
周りの人は普通に笑い、普通に生きている。
その“普通”が、自分にはどれほど遠いものか。
食欲もない。
食べる意味も感じない。
テレビをつけても音が刺さるだけ。
SNSを見ても、世界が眩しすぎて目を逸らしてしまう。
誰かの「幸せそうな日常」が、まるで毒のように心を侵す。
自分だけが取り残されている。
世界が進んでいるのに、自分だけが止まっている。
夜になると、少しは落ち着くかと思えば、暗闇が心をさらに締めつける。
静かな部屋で、過去の後悔や失敗が頭の中を無限に再生される。
どうしてあんなことを言ったのだろう。
どうして何もできなかったのだろう。
時間が経つほどに、自分がどんどん小さく、汚くなっていく気がする。
眠りたい。でも眠れない。
まぶたを閉じても、苦しみは消えない。
浅い眠りの中でさえ、心は休まらず、夢の中でも逃げ場を探している。
目が覚めた時、また同じ苦しみが待っていると思うと、もう眠ることさえ怖い。
生きているのに、死んでいるようだ。
呼吸をしているのに、空気が胸を刺す。
誰にも理解されないこの痛みを抱えたまま、今日もまた、何もできずに一日が終わる。
時計の針の音だけが、静かに「まだ生きている」と告げてくる。
それが救いなのか、呪いなのか、もうわからない。
――これが、私の「生き地獄」の記録。
終わることを許されず、ただ苦しみを繰り返すだけの、無限の牢獄。
