
どうやって生きればいいんだ もうだめだ
今日という日は、朝から崩れていた。
目を開けた瞬間、世界の重さがのしかかってきて、
身体より先に心が折れた。
「もうだめだ」
その言葉は呟く前から胸の奥に沈んでいて、
声にもならないまま、ただ静かに溜まり続けている。
布団の中で、天井をぼんやり見つめた。
何も考えられないはずなのに、
頭のどこかがずっとざわついている。
逃げ場を探すように思考が彷徨って、
でも出口はどこにもない。
世界が遠すぎて、
自分はここにいるはずなのに、輪郭がぼやけていく。
外に出ても、景色は全部薄い。
人の声も、車の音も、風の気配も、
ただ背景として流れていくだけで、
自分だけがその場に溶け込めていない。
透明な膜の内側から外を見ているようで、
触れようとしても手がすり抜けるようで、
止まったままの世界に一人だけ取り残されている。
「どうやって生きればいいんだ」
ふとした瞬間にその言葉が浮かぶ。
浮かぶというより、勝手に湧き出してくる。
考えたくないのに考えてしまう。
止めたくても止まらない。
気づいたら心の中がその問いで真っ黒に染まっている。
誰かに助けを求めたいのに、
言葉にした途端、すべてが崩れてしまいそうで、
声にする勇気すらなくて、
結局、沈黙だけが積もっていく。
相談したところで理解されない、
そんな予感が先に走って、
誰にも触れられない寂しさだけが深まっていく。
夕方になる頃には、もう体力は尽きていた。
何かを改善しようとか、前を向こうとか、
そんな前向きな言葉が逆に刺さって、
ただ静かに、深い穴に沈んでいく感じだけが残る。
心がゆっくり水の底へ沈むようで、
息の仕方を忘れてしまうようで、
どこまで沈むのか、自分でもわからない。
夜になると、考えがさらに濃くなる。
暗闇に飲み込まれるように、
胸の中のざわつきが深く深く沈んでいき、
世界から切り離されたみたいな孤独に包まれる。
「もうだめだ」
その言葉は泣き声にも、叫びにもならず、
ただ心の底に重石のように沈んでいる。
生き方なんて、本当にわからない。
手探りで進む気力もない。
明日を信じる余裕もない。
それでも、なぜか呼吸だけは続いていて、
今日を終えるためだけに生きている。
生きる意味も方向もわからないまま、
ただ、暗い水の底で丸くなっているような夜だ。