
朝が来る。
来なくていいと思っていた朝が、容赦なく来る。
目を開けた瞬間から、胸の奥に同じ問いが沈んでいる。
――どうやって生きればいいんだ。
答えはない。
探す気力もない。
それでも問いだけは、眠っている間も消えてくれない。
布団の中で、天井を見つめる。
何も考えたくないのに、頭は勝手に回り始める。
昨日と同じ後悔、同じ不安、同じ自己否定。
「また今日も、何もできないんだろうな」
その予感だけは、やけに正確だ。
誰かに説明できるほどの理由はない。
ただ、重い。
体も、心も、言葉も。
一歩を踏み出す前に、百の重りが足首に巻きついている感覚。
それを「甘え」と呼ばれたこともあるけれど、
これは意志の問題じゃない。
生きるための力そのものが、底をついている。
時間は進む。
時計の針だけが、やけに元気だ。
自分だけが取り残されて、世界は平然と回っている。
みんな、どうやって生きているんだろう。
どうやって、平気な顔をしているんだろう。
その方法が、どうして自分には一つも届かないんだろう。
問いは形を変える。
「意味はあるのか」
「価値はあるのか」
「いなくても、何も変わらないんじゃないか」
答えが出ないまま、問いだけが増えていく。
まるで部屋に積み上がる段ボールの山みたいに、
どれも開けられず、どれも捨てられない。
夕方になると、少しだけ焦る。
今日も終わってしまう、という焦り。
でも同時に、終わってほしいという願い。
矛盾した気持ちが同時に存在して、
その狭間で、ただ立ち尽くす。
夜。
静かになると、問いの声はさらに大きくなる。
「この先も、ずっとこうなのか」
「耐え続けるだけなのか」
未来を考えると、暗闇が伸びてくる。
だから考えないようにする。
けれど、考えない努力は、いつも失敗する。
それでも、今日もここに書いている。
問いが消えないことを、記録している。
答えがないままでも、問いを抱えたままでも、
こうして一日が終わった、という事実だけは残る。
生き方はわからない。
救いも見えない。
でも、問いだけが消えない日々を、
こうして言葉にしている自分がいる。
それが何になるのかは、わからない。
ただ今は、
問いを抱えたまま、今日を終える。