
――うつ地獄日記・新年――
年が変わった。
ただそれだけのことなのに、世界は祝えと強要してくる。
「おめでとう」という言葉が、空気のように漂っている。
その空気を吸うたび、胸が少しずつ苦しくなる。
昨日と今日のあいだに、何か決定的な違いがあるはずだった。
でも目を覚まして最初に感じたのは、
去年の続きをそのまま引きずっている重さだった。
絶望は年越しをしない。
カレンダーだけが勝手に新しくなり、
私は古いまま置き去りにされた。
新年は「希望の始まり」だと皆が言う。
その言葉が正しければ、
今の私は最初から希望の圏外にいることになる。
初日の光はまぶしすぎて、
影の中にいる私を容赦なく浮き彫りにする。
何かを始めろ、変われ、前を向け。
新年のスローガンは、
動けない人間を裁くための判決文みたいだ。
変われない自分が、
今年もここにいるという事実だけが重い。
それでも時間は進む。
進んでしまう。
立ち止まることすら許されないまま、
「新年」という名前の地獄が静かに始まった。
今年も、問いは消えない。
どうやって生きればいいんだ。
その問いだけを抱えたまま、
新しい年の底に、また一歩、沈んでいく。