
うつで もう頑張れない人間の記録 その4
今日は「もう頑張れない」という言葉さえ、使うのが重い。
頑張れないのではなく、頑張るという概念そのものが消えている。
エネルギーがないとか、気力がないとか、そういう説明はもう違う。
最初から何も残っていない場所で、ただ時間だけが流れている。
朝になっても、夜になっても、状態は変わらない。
良くもならないし、悪くなる余地もない。
底に張りついたまま、世界の音だけが遠くで鳴っている。
人の声も、ニュースも、希望を語る言葉も、すべて別の惑星の出来事だ。
「まだできることがある」
「小さな一歩から」
そんな言葉は、こちらの状況を一切見ていない。
一歩を出すための地面が、もう存在しない。
踏み出せと言われても、足は宙に浮いたままだ。
何もしていない自分を、責める声だけははっきり聞こえる。
怠けている。逃げている。甘えている。
その声は、病気よりも正確に、毎日こちらを削ってくる。
抵抗する力はない。ただ受け取って、沈む。
それでも呼吸だけは続いている。
生きているというより、停止しきれずに残っている感覚。
希望がないことにも、もう驚かない。
「良くなりたい」と思えない自分を、説明する気力もない。
この記録は、前向きになるためのものじゃない。
立ち直りの物語でも、回復の兆しでもない。
ただ、もう頑張れない人間が、今日も存在していたという事実を
消えないように置いているだけだ。
明日も、同じかもしれない。
それでも、この一行を書いた。
それが、今日できたすべてだ。