
朝、目が覚めた瞬間からもう負けている。
眠ったはずなのに、何も回復していない。むしろ、昨日よりも重く、深く沈んでいる。体は鉛みたいに動かないのに、頭の中だけは勝手に動き続けて、「今日も何もできない」という確信だけを何度も突きつけてくる。
布団の中で、ただ時間が過ぎるのを待つ。
起きなければいけないとわかっているのに、「起きる」という行為がまるで崖をよじ登るように遠い。
やっとの思いで体を起こしても、そこで終わりじゃない。
顔を洗う、服を着る、何かを食べる――その一つ一つが、普通の人には何でもないはずのことが、ここでは全部「試練」になる。
何もしていないのに、もう疲れている。
外に出れば、世界は普通に回っている。
みんな当たり前のように歩いて、話して、笑っている。
その中で自分だけが、見えない泥に足を取られて動けない。
誰にもわからない。
「元気そうに見えるね」と言われるたびに、内側とのズレに押し潰されそうになる。
何もしていない自分を責める声が、頭の中でずっと鳴り止まない。
「怠けているだけだ」「もっと頑張れ」「甘えるな」
その声に反論する力すら、もう残っていない。
夜になると、少しだけ楽になる気がする。
でもそれは「終わりに近づいている」からであって、救われているわけじゃない。
そしてまた思う。
このまま同じ一日が、何度も何度も繰り返されるのか、と。
希望は見えない。
出口も見えない。
ただ、終わらないだけの地獄が、静かに続いている。
それでも、完全に消えてしまえない自分がいる。
苦しいまま、今日も生きてしまったという事実だけが残る。
それが、この闘病の日常だ。