
生き地獄闘病日記
朝、目が覚めた瞬間に思う。
「ああ、また始まってしまった」と。
眠っている間だけが唯一の逃げ場だったのに、意識が戻ると同時に、重たい何かが胸の上にのしかかってくる。体は動くはずなのに、動かない。まるで見えない鎖に縛られているみたいだ。
布団の中で天井を見つめる。
時間だけが進んでいく。自分だけ取り残されている。
起きなきゃいけない。
でも、起きる理由がわからない。
食事も、会話も、外の世界も、全部が遠い。
ガラス越しに見ているようで、自分だけそこに存在していない感覚。
周りから見れば「普通」に見えるらしい。
それが一番苦しい。
笑おうと思えば笑える。
話そうと思えば話せる。
でも、それは全部“演技”だ。
本当の自分は、ずっと底に沈んだまま、
誰にも触れられず、誰にも気づかれない。
「甘えじゃないの?」
「気の持ちようでしょ?」
そんな言葉が頭の中で何度も再生される。
違う、と言いたい。でも言葉にならない。
苦しさは目に見えない。
痛みも、数値も、証拠もない。
だからこそ、否定される。
夜になると少しだけ楽になる。
終わりに近づいている気がするから。
でも同時にわかっている。
また明日も同じことが繰り返されることを。
終わらない。
出口がない。
それでも、生きている。
いや、生きているというより、
ただ「続いてしまっている」だけかもしれない。
それでも今日も一日が終わった。
何もできなかった一日。
でも――
それでも、ここまで来た。
それだけで、もう十分に消耗している。