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KIZUNA  うつ病だけど もう少し 生きてみます。

障害2級 重度のうつ病日記 長男と家族の闘病余命宣告

うつ恐怖の館 3

扉は、勝手に閉まった。

――ギィィ……ン。

 

振り返った瞬間、もうそこに出口はなかった。
さっきまで確かにあったはずのドアは、壁と同じ色に溶け込み、まるで最初から存在しなかったかのように消えている。

 

静かすぎる。

耳鳴りだけがやけに大きく響く。
自分の呼吸音すら、他人のもののように遠く感じた。

 

「……誰か、いるのか」

声は吸い込まれた。返事はない。
だが、確かに“何か”はいる。

視線。

 

背中にまとわりつくような、重たい気配。
振り向いても、何もいない。
けれど、振り向いた“後ろ”に、それは移動している気がする。

 

廊下の奥に、古びた鏡があった。

引き寄せられるように近づくと、そこには自分が映っている――はずだった。

違う。

 

少し、遅れている。

自分が瞬きをしてから、鏡の中の“それ”がゆっくりと瞬きをした。
口元が、わずかに歪む。

「……誰だ、お前」

 

その瞬間、鏡の中の自分が笑った。

自分は、笑っていない。

なのに、鏡の中だけが――歪んだ笑みを浮かべている。

 

ガンッ!!

背後で大きな音がした。

振り返る。

誰もいない。

 

もう一度、鏡を見る。

――いない。

そこに映るべき“自分”が、消えていた。

 

代わりに立っていたのは、

自分ではない「何か」。

 

それは、ゆっくりとこちらに手を伸ばしてくる。
鏡の“内側”から。

ガラスの表面が、波のように揺れた。

 

「来るな……!」

叫んだ瞬間、手首を掴まれた。

冷たい。

 

生きているものの温度じゃない。

振りほどこうとしたが、力が入らない。
まるで、自分の体が自分のものではなくなっていくようだった。

 

鏡の中の“それ”が、囁いた。

――「代わって」

 

その声は、完全に自分の声だった。

次の瞬間、視界が反転した。

気づくと、自分は鏡の中にいた。

 

外側にいる“自分”が、こちらを見ている。
いや、それはもう自分ではない。

にやり、と笑う。

 

そして、ゆっくりと背を向け、闇の廊下へと歩いていった。

置き去りにされたのは、

 

本当の自分だった。

叩いても、叫んでも、声は外に届かない。

ただ、ガラスの向こうで、

 

“自分だったもの”が自由に歩いていくのを見続けるしかない。

この館は、出口なんて最初からなかったのかもしれない。

 

――あるのは、入れ替わるための場所だけ。

静かな絶望が、ゆっくりと心を侵食していく。

 

次にここへ来るのは、

「誰」だろうか。

 

こういう夢をよくみるんだ。

怖い・・

 

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とても優しく親切で感動ですよ

 

 

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